労働者を全員厚生年金に入れるようだが、労働者にメリットはあるか

スポンサーリンク

にほんブログ村 投資ブログ 投資でセミリタイア生活へ
にほんブログ村

労働者を全員厚生年金に入れるようだが、労働者にメリットはあるか

今、労働者を基本すべて厚生年金に入れたいようです。週30時間以上働く人はすべて厚生年金にするとかしているようです。

今回はこれについて考えたいと思います。

厚生年金の制度ってみなさんどれぐらい認識しているのでしょうか。



国民年金の第三号が減る

国としての最大のメリットはこれでしょう。国民年金の第三号が減ることになります。パートでも厚生年金に入れば自然とこの第三号がなくなるわけです。つまり、今まで年金を払わずに年金をもらえていた層も年金を払うことになります。これによって年金を今まで以上に集めることができるようになります。

これが最大のメリットです。

簡単にいえば、これが最大の目的ですね。

厚生年金の支払い額に依存して変わる部分は基本払い損

そして、もう一つあるのが厚生年金の支払額に依存して変わる部分は、基本払い損になります。厚生年金というのは、国民年金+厚生年金部分の2段階の支払いになります。そして、支払い額に依存して変わる部分はこの厚生年金部分だけになります。

例えば、年収100万円で厚生年金に35年勤めていたら国民年金75万円で厚生年金は15万円程度になります。年収500万円であれば国民年金75万円で厚生年金が75万円程度になります。年収1000万円であれば国民年金75万円で厚生年金が150万円程度になります。

年収100万 国民年金75万 厚生年金15万 総年金90万
年収500万 国民年金75万 厚生年金75万 総年金150万
年収1000万 国民年金75万 厚生年金150万 総年金225万

このように、年収10倍の差があって年金の支払い額も10倍の差があるのに、年金としてもらえる額はなんと2.5倍にもならないわけです。つまり、厚生年金の支払い額が増えれば増えるほど損をしていくともいえます。

このように、厚生年金は低年収には優しい制度といえます。

支払い別に何年で回収できるか

では、年金を何年で回収できるかを考えてみます。(年収が多いほうは、月でもらう金額とボーナスでもらう金額によって変わりますが・・・この辺は年収500万円の倍と考えました。月で80万円もらっていると実際にはもう少し減ります)

国民年金 支払額19万 総年金75万 回収年数9年
年収100万 支払額10万 総年金90万 回収年数4年(会社分で合わせて8年)
年収500万 支払額45万 総年金150万 回収年数10.5年(会社分で合わせて21年)
年収1000万 支払額90万 総年金225万 回収年数14年(会社分で合わせて28年)

このように年収が低ければ低いほど回収年数が早いことになります。つまり、年収が低い人ほど優遇されているわけです。そして、国民年金がどれだけ恵まれているものかもよく分かると思います。

厚生年金で一番支払いが低い人だと厚生年金のほうが回収年数が上がりますが、それ以外に関しては基本的には回収年数は国民年金のが恵まれています。

皆が厚生年金の方が国としては都合がいい

このように、色々な観点から見ても厚生年金のほうが国としては都合がいいわけです。第三号の観点でみれば当然ですが、回収年数から考えてもこちらのほうが都合がいいことになります。それ以外にも国民年金よりも確実にお金を回収できるなどメリットは他にもたくさんあります。

20年もセミリタイアに向かって仕事をするのはさすがにつらい人が多いと思います。ある程度仕事が好きにならないとその人生は辛そうですね。

労働者側から見てどうか

今自分自身が第三号になれない前提で考えます。第三号になれば厚生年金などに入るメリットなど何一つありませんので。

基本的に厚生年金は労働者にとってメリットが低い制度です。ただし、もし年収が変わらず厚生年金に入ることができるのであればそれは労働者にとってメリットは間違いなくあります。年収100万円であればなんと4年で回収できるわけですから。しかしながら、企業としてはそれだけ支払いが増えるわけです。それはどこかへしわ寄せがいくのは間違いありません。人件費全体から考えれば、これは労働者にとってメリットがあるとはとても言えないのかなと私は思っています。人件費的に考えれば実質時給が10%以上上がるものですから、企業側の負担はとても小さいものとはいえません。

どこかへ必ずしわ寄せがいきます。つまり、労働者へのメリットも低いと考えます。

消費税増税よりもインパクトがある人もいる

今回の消費税増税がけっこうニュースになっていますが、私はこちらのほうが国民全体への負担が間違いなく上がるのでもっとインパクトがあるのかなと思っています。特に今回この対象になる人たちは皆間違いなく負担が上がると思います。逆に正社員の人にとっては何一つ変わらないので何のニュースにもなっていないのかもしれません。

皆が、厚生年金に入れるというのは耳障りがいいので政府が進めていますが、今まで以上に低年収の人たちを苦しめるルール変更ではないかなと私は考えています。

耳障りがよく国民からお金を集めることができるので政府としては進めたいわけです。消費税増税は、これより上げると政権が持ちませんので。

人気ブログランキングへ

コメント

タイトルとURLをコピーしました